

*このページでは当スクール、クリス・チャードン校長のインタビューを紹介しています。
Q: 大学では何を専攻しましたか?
A: 言語学です。選択科目として日本語を履修しました。
Q: 漠然とした質問ですが、日本語について何か感じているものがありますか?
A:漢字の多さは言うまでも無く日本語には冠詞というものが無い、ということに当初大変驚きました。
また難しさという点においてはとりわけ助詞と時制の不一致があげられると思います。
時制の不一致というのは例えば”バスが来た”という文は英語に直訳すると”The bus has come.”となりますね。
ところが実際はまだ遠くのほうにいて乗れる状態ではないので、”The bus is coming.”というのが正解です。しかし、”あっ、バスが来つつある!”とは誰も言いませんよね? この辺りが私にとっての日本語の七不思議です。不思議と言えばもう1つ、日本語では主語を省略するケースがやたら多いですよね。
その理由はいろいろあると思いますが、主に、省略しても全く問題にならないほど、日本人の”常識”が一致しているということだと思います。ところが、母国アメリカは、お国柄とでも言うのでしょうか、国民に共通の”常識”がほとんど存在しないばかりでなく、文化や習慣、教育、背景などが日本ほど統一的ではありません。
言い換えれば、千差万別、自分の”常識”は他人には当てはまらないのです。従って主語が無いと会話が成り立たないわけです。初対面の人どおしならもちろんのこと、どんなに親しい間柄でもそれは省略されません。
このように、日本語の難しさに今でも日々直面しています。
Q: 言語を習得するノウハウについての考えをお聞かせください。
A:もちろん困難な面はいくつもありますが、そのあたりは外国語を学んでいる人なら誰でもお心当たりがあるのでは?
人間の思考とその人の母国語は当然一致しています。ですからまず、母国語を客観的に見るために自分の中にある常識を思いきって変える努力をすることが必要となるのです。
そうすれば物事を”角度を変えて見る”ことのおもしろさに気付くでしょう。少し抽象的すぎたかも知れませんね。表現を変えると、文法的な概念、生活習慣、社会活動等の広範囲において、発想の転換をはかる、とでも言いましょうか。文法を例にとると、日本語と英語における構文はかなり違うことにお気付きですか?
日本語では動詞が文末に来るのに、英語では主語の次に来ますね。
生活習慣の例で、もう少し興味深い事柄としてAさんがBさんに何かプレゼントをする場合を取り上げてみましょう。日本では品物の価値そのものよりも、AさんとBさんの立場あるいは関係の違いがそのまま会話文の違いを形成します。Aさんがお父さんでBさんがあなただとして、お父さんがあなたの誕生日に万年筆を贈ってくれました。その時、あなたは”ありがとう”と言うでしょう。プレゼントがたとえ高価な車であっても、やっぱりあなたは(感動しながらも)”ありがとう”と言うのではありませんか?
ところが英語では、こんどは両者の関係よりもプレゼントの価値(主観も含む)に重点が移ります。
相手が大会社の社長であってもプレゼントされたものがボールペンだったとしたら、その人は”Thanks.”程度しか言わないでしょう。逆に、先ほどの例と同様にお父さんから高級車をプレゼントされたら、彼は”Thank you very much. I really appreciate it!”とか何とか、必ず丁寧にお礼を述べるのです。ここでもし、親子の気安い間柄だからと言って”Thanks.”とだけ言ってしまったら、彼はきっとお父さんにぶん殴られることでしょう! このように”礼儀正しさ”という観点1つをとってみても、日本と他国には観点の違いが見られるのです。テレビやラジオの外国語講座ももちろん有効ですが、あなたが学習中の言語を母国語とする人々の生活習慣や背景を理解しようとすることも、重要項目の1つだと言えるのではないでしょうか。
Q: 1クラスあたりの生徒数は何人くらいが適当だとお考えですか?
A:多くて4人ですね。もっと大人数であれば、エイブルの利益には当然プラスになるのでしょうが(笑)、生徒の語学力の向上を妨げてしまうでしょう。
1~2名であれば先生対生徒の会話が主体となりますが、3~4名ですとペアーを組ませてそれぞれに会話させることにより、時間も有効に使える上、雑音に惑わされず自分達の会話に集中する力が培われます。
Q: 他言語をマスターした経験のある先輩から、これからマスターしようとしている人へのアドバイスをお願いします。
A:う~ん、レベルによってずいぶん異なりますが、例えばTOEICが500点~800点くらいの人であれば、慣用句を身に付ける努力をしてみてはいかがでしょう?
日本語で例をあげれば”一石二鳥”とか”朝飯前”などです。せっかく覚えても、使わないとすぐに忘れてしまいますから、ネイティブと話す機会のある時(またはそういったシチュエーションの際に独り言でも)、思いきって使ってみましょう!
たとえ、その時は言い間違えたり、ど忘れしてしまって恥ずかしい思いをしたとしても、そのような状況下で身に付いたものこそ、長く記憶に残るということを忘れないでください。余談ですが私の場合、秘書のことを私の”右腕です”と言うつもりだったのに、つい”右手”と言ってしまって、後で冷や汗をかいたことがあるのですが(英語で右腕のことを”right hand”というものですから)、それ以来、その言葉は二度と忘れません!